ヨハネの福音書 21章6節

 十二使徒のリーダー的存在であるぺテロは、イエスの為にいのちを捨てると覚悟していました。しかし、イエスが捕らえられ裁判にかけられた時、彼を見捨てました。「お前もこのイエスの仲間か?」と問われた時、彼は恐ろしくなり「知らない」と三度否認しました。

 イエス・キリストが十字架で処刑された後、ぺテロたちはガリラヤに戻りました。しかし懐かしいガリラヤ湖畔には、何もありませんでした。三年前、イエスと出会い、漁師の仕事をやめ、彼の弟子となった場所へと戻ってきた彼らには、もう何も残されていませんでした。何をして良いのか、生きる目標すらも分からなくなっていました。

 打ちひしがれた彼らは(私たちもそうであるように)過去に得意だったこと………漁師の生活へ戻ろうとしました。夜通し漁をしたぺテロたちは、しかし、一匹の魚も採ることが出来ませんでした。夜明けを迎えた彼らの前に、湖畔に立つ一人の男が「船の右側に網をおろしなさい。そうすれば、とれます」と声をかけました。疲れきっていたぺテロたちですが、その言葉に従い網をおろした瞬間、驚くほどたくさんの魚をとりました。ペテロはこの時、湖畔に立つ男が、復活されたイエスだと気づきました。

 ぺテロはかつてイエスに与えられた人生の目的を思い出しました。それは「人間をとる漁師」となることでした。一度は挫折したペテロに、イエスは再度、目的を与えました。そして彼はこの後、人間をとる漁師として、命をかけてイエスの弟子をつくり続けました。私たちも時に挫折し、見失う時があります。しかし、もしその時イエスに出会うなら、あなたは真の生きる目的を与えられるのです。