ルカの福音書 19章17節

「彼は自分の十人のしもべを呼んで、十ミナを与え、彼らに言った。『私が帰るまで、これで商売しなさい』」(ルカ福音書19章13節)
世の中には、様々なテスト(期末や受験、入社etc)があります。ではそれらのテストは、いったい何の為に行うのでしょうか?それは、相手を見極めるためです。判定を通して資質や理解力、あるいは適正や能力などを見極める。それがテストと呼ばれるものではないでしょうか。
ルカ福音書19章13~27節で語られる主人は、遠いところへと旅立ち、やがて王となって帰還した後にしもべたちを呼び、留守の間どのような商売をしたかを尋ねました。その問いに一人は十ミナ、あるいは五ミナへと増やし、主人から褒められた上で、十の町を、あるいは五つの町をそれぞれ褒美として与えられました。けれど、あるしもべは増やす努力を怠り、また言い訳をして、命令に従わなかったことを正当化しようとさえしました。それに対して王は怒り、さばきます。結果、与えていた1ミナはもちろん、彼の持っていたものまで没収してしまいます。
王はなぜ、怒ったのでしょうか?それは「あなたのことばによって、あなたをさばこう」と言われるこの主人は、相手の言葉を何よりも大切にされる方だからです。
更にこのたとえは、しもべたちの「忠実さ」を、それも「主人の言葉に対する忠実さ」を見極めるテストとして行いました。それは1ミナを預けたと同時に「これで商売をしなさい」という言葉(命令)を授けた事からも明らかです。神の国は主人の言葉に、忠実なる者を求めています。かの王は、このたとえ話をされたイエス・キリストです。この素晴らしい方が王として帰還された時に、私たちも「よくやった。よいしもべだ」と評価されたいものです。